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ニッポン放送「今日の早起きドクター」に東京さくら病院の東海林院長が出演しました

2020.06.08

MEDIA

5月11日から5日間、ニッポン放送 飯田浩司のOK!Cozy up!「今日の早起きドクター」に東京さくら病院の東海林豊院長が出演しました。飯田様、新行様との会話を通して、リスナーに東京さくら病院の特徴や取り組みなどをお伝えしました。放送の内容を抜粋して掲載いたします。

【東海林院長の生い立ち】

飯田浩司アナウンサー(以下・飯田):ラジオで毎日聴く健康管理、モーニングライフアップ『今日の早起きドクター』。今週は東京都医師会応報委員で江戸川区東篠崎にあります、東京都さくら病院院長の東海林豊さんをお迎えいたします。先生、おはようございます。
東海林豊院長(以下・東海林):おはようございます。
新行市佳アナウンサー(以下・新行):よろしくお願いします。
飯田:収録前にスタッフが挨拶のため名刺交換をするのですが、新行アナウンサーと東海林先生が異常な盛り上がりを見せていましたよね、どうしたの!?
新行:東海林先生が秋田の生まれ、育ちでいらっしゃって、学校が同じだったんですよ。全部一緒だったんですよね!
東海林:秋田生まれで~と話していたら、新行さんが秋田高校の名前にすごい反応されたんですよね。さらに中学校まで一緒、小学校まで一緒とは。小・中・高の出身校が同じ人は東京で初めて会いましたね。
飯田:直属の先輩!
新行:本当に“どでん”しました。秋田弁で“びっくりした”という意味です。
東海林:ははは!
飯田:いつ頃から医学の道を志そうという気持ちでいらっしゃったのですか?
東海林:中学の時が最初ですかね。
飯田:何かきっかけがあったのでしょうか?
東海林:個人的な話で少しありきたりかもしれないのですが、中学校2年生の時に父親を亡くしたことがきっかけで、医者になろうかなと考え始めました。
飯田:東海林先生のご専門を教えてください。
東海林:私は消化器外科医です。でした、と言った方が正確ですね。
飯田:お父様が亡くなって、がんというものと闘っていくという考えもあったのでしょうか。
東海林:そうですね。なんとかがんを撲滅させたいという想いがありました。同時に、学生の頃から循環器のセミナーや勉強会に参加していくうちに、内科の知識量ってものすごいなと知りました。ちょっと僕にはついていける気がしなかったですね。(笑)同級生はみな、僕が内科の道に進むと思っていたようですが、もともと何かを作ることが好きだったこともあり、外科に行こうと決めました。
飯田:東京さくら病院は、内科、リハビリテーション科、精神科、緩和ケア内科という、どちらかというと内科中心の診療を行っていますよね。一念発起するきっかけがあったのでしょうか?
東海林:一念発起するというわけではないのですが、僕自身、年齢を重ねたことで手術にストレスを感じるようになってきました。こういうことを言うのはあまりよくないかもしれませんが、父親を亡くした経験もあって、外科医として手術を重ねながら、死にゆく者の悲しみと残された者の悲しみを理解することができればと考えていました。でもなかなか答えは見つからない。そこで、手術をした患者さんがその後どのような人生を歩んでいるかを勉強しようと思いました。そう考え始めた頃に、東京さくら病院の立ち上げの話をいただいたので、参画したというような次第ですね。

【東京さくら病院の特徴】

飯田:東京さくら病院のホームページを拝見しますと、診療科目は、内科、リハビリテーション科、精神科、緩和ケア内科となっていて、ベッド数が258床。入院するというと手術の多い外科方面であればイメージがつくのですが、これだけ内科の科目が並んでいる中でベッド数が多いというのはどのような意図でしょうか?
東海林:当院は、いわゆるケアミックス型病院であることが特徴です。
飯田:ケアミックス型?
東海林:“人をケアする”というような使われ方でよく耳にしますが、そういった意味の“ケア”をミックスした病院ということです。患者さんは、検査の機器を使ったり薬を使ったりして治す時期、家に戻るまでに回復していく時期というような経過で治っていきますが、当院の役割としては、治す時期を経てちょっと回復したころ、あるいは家に帰る前にちょっとお休みしてもらう、療養してもらう、その時期を担っております。そのために、回復期リハビリテーションという回復期を担う病棟や、地域包括ケア病棟と呼ばれる急性期から回復期に向かう間の部分を担う病棟、回復期以降を担う療養病棟があります。ケアミックス病院とはそのようなかたちで捉えていただけたら結構かと思います。
飯田:そうすると、例えば急患で運ばれて手術を終えたような人たちが、転院してくることもあるのでしょうか?
東海林:はい、あります。例えば、脳梗塞を起こした時にはまず脳血栓の溶解剤を使用しなければならないので、都立病院や民間の救急車を受け入れてくれる急性期病院に運ばれます。そこで治療を受けてある程度落ち着いた段階、要するに命の危機を脱したという段階、時に麻痺が残ったり物が食べられなかったり言葉が話せなかったりというような障害が残ってしまう場合もありますが、治療からリハビリに移行する段階になった患者さんたちが、当院の回復期リハビリテーション病棟に入院されます。
飯田・新行:ふむふむ。
東海林:万が一脳梗塞の再発作が起きたら、リハビリテーション病棟では治療をすることができませんので、急性期病院に戻ってもらうことになります。東京さくら病院のようなケアミックス型、療養病床と呼ばれる慢性期病院の役目は、主にリハビリに励む当人やご家族と相談した上で今後についてのマネジメントをするといいますか、支援をすることですね。

【地域包括ケア・療養病棟について】

飯田:東京さくら病院のテーマのひとつに、病状は比較的安定しているけれど家に帰ることが難しい慢性期の患者さんの受け入れがあると伺いましたが、このような方は増えているのでしょうか?
東海林:そうですね。高齢化社会の進行に伴ってどんどん増えてきています。例えば、80歳の人が大腸がんになり手術をしたけれども、筋力が落ちて家に帰ることができない、もう少し病院にいさせてほしいと希望されるケースがあるとします。当院での対応を具体的にお話すると、急性期の回復まではいきませんが、数週間経てば歩くことができるだろうというような患者さんを地域包括ケア病棟でお預かりします。当院でリハビリをして、ゆくゆくは自宅に帰っていけるようサポートさせていただいております。
飯田:もうしばらく療養しないと不安だという方を受け入れる療養病棟があったり、あるいは介護施設に入る選択肢を検討したりというのも地域包括ケア病棟の仕事のひとつであるとおっしゃっていました。療養病棟について詳しく教えていただけますか?
東海林:先程の例を差し上げると、手術後家に帰るためにリハビリをしたけれど、どうしても食欲が湧いてこない、歩く気力が出てこない、筋力がなかなか付かないためにどうしても車椅子になってしまった時、自宅でご家族が面倒を見ることが難しくなってきます。では、次はどこでどのような生活をしたらいいのだろう、ということが一番の大きな問題になってきます。そうした場合に、退院支援としてマネジメントをさせていただいていますが、地域包括ケアから療養病棟へという方向づけが出てくれば当院でそのままお預かりできます。
飯田:療養病棟の仕組みっていろいろ変わっている最中であるように思います。試行錯誤を繰り返しているところでしょうけれども、現場を抱えているお医者さんはジレンマも多いのではないでしょうか?
東海林:多いですね。患者さんによっては生活もままならない場合があります。それでも今後どうしたらいいかということを考えてあげなければいけません。これが高齢化の大きな問題なんですね。
飯田:高齢化と少子化、独居や核家族といった組み合わせで考えていく必要がありますよね。
東海林:そうですね。これからますます問題が大きくなっていくと思います。高齢者の方たちが全員健康なわけではないことを念頭に置いて考えなければなりません。健康という言葉は定義が難しいのですが、病気がないわけではない、ということなんですね。普段通りの生活はできる方でも心臓や腎臓の病気があったり、どこか消化器がおかしかったりします。その病気を持ちながらどこに行ってもらおうか、と。急性期には様々な科があり専門ごとに処置することが可能ですが、慢性期には科がないのでどのような病気を持っている患者さんをも受け入れ、どのような生き方をしてもらうか最善の道を考えていかなければならないことが難しいところです。
飯田:療養病棟に関しては社会全体としても模索していく段階なのかもしれませんね。
東海林:そう思います。

【ボランティアの受け入れ】

飯田:東京さくら病院のホームページを拝見しながら、“緩和ケア病棟ボランティア募集”という文言を発見しました。病院でボランティアを受け入れる取り組みがあるのですね。
東海林:はい。常時働いているわけではありませんが、緩和ケア病棟と療養病棟を対象に入院患者さんたちの気持ちを和らげてもらう目的でボランティアの方に来ていただいています。緩和ケア病棟には末期のがんを患った患者さんが多くいますが、有意義な時間を持ってもらいたく、そのためには楽しみがあるといいなということで。具体的にはそうめん流しパーティーやハロウィンパーティーや…
飯田・新行:おお~!
東海林:スイカ割りもしました。ヴァイオリン奏者が来たり、傍で話を聞いてくれる人をお招きしたり。一度お呼びしたことがあるのですが、ホスピタルクラウンってご存じでしょうかね。
飯田:ホスピタルクラウン?
東海林:クラウンというのは道化師の意味です。
飯田:では、ピエロとかそういう…?
東海林:その通り、ピエロです。昔、主人公が鼻を真っ赤にして子供たちの病棟を訪ね、パフォーマンスをしながら気持ちを和らげてあげる『パッチアダムス』という映画がありましたが、まさにそのような感じです。がんと闘病する患者さんたちの気が落ち込んでしまわないよう、そのような活動をしている人々をお呼びすることもあります。また、東京さくら病院の隣には高等学校があるので、タイアップして学生たちに病院に入ってきてもらったこともあります。
飯田・新行:へぇ~!
東海林:社会授業の一環としてがんの患者さんや認知症があるようなお年寄りと接する場を設け、高校生たちがお礼にコーラスを披露してくれました。
飯田:なるほど。貢献の仕方は様々ですね。
東海林:そうですね。がんの治療では疼痛を和らげるために麻薬や鎮静剤を使いますが、痛みがあるのは身体だけではありません。スピリチュアルペインといういわゆる精神的な痛みも伴うものです。当院には緩和ケア専門の先生もおりますが、僕が院長という立場で伝えていることは、患者さんたちのスピリチュアルのペインを取り除くことに重きを置いてほしいということです。積極的にボランティアを受け入れているのもそのためです。科学的に的確な判断をするだけでなく、家族の気持ち、患者さんの気持ちをわかってあげられるのが良い医療者であろうと思っています。非常に難しいのですけれど。
飯田:この先の医療に求められるのってまさにその資質ですよね。
東海林:そうだろうと思います。ボランティアを検討してくださる方がいれば、このような気持ちを根底に持っていただけたら嬉しいです。
飯田:東京さくら病院院長の東海林豊さんにお話を伺ってまいりました。先生、どうもありがとうございました。
新行:ありがとうございました。
東海林:ありがとうございました。

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