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『毎日フォーラム』3月号に掲載されました。
2020.03.16
MEDIA
毎日新聞社 毎日フォーラムに、理事長インタビューが掲載されました。
ぜひご覧ください。
(以下記事)
患者さんに使いやすい医療を目指す
最初は1993年にかかりつけのホームドクターを目指して、都営新宿線の篠崎駅前でクリニックを開業した。
診療所は全て利便性の高い駅前に配置している。自分や自分の家族、周囲の人がかかりたいと思えるような医療機関づくり・サービス提供を追求した結果、今のような医療法人の形になっている。
自分が診ていた認知症の患者さんが、症状が進行して入院したというので、入院した病院を見に行ったら精神科の閉鎖病棟でびっくりした。
認知症の医療を変えられないものかと考え、2006年に当時はなかった認知症の専門病院「川口さくら病院」を埼玉県川口市に作った。今では300床を超えている。病院と連携させる目的で特別養護老人ホームも併設している。13年には在宅患者を支える目的で、後方支援病院として江戸川区内に「東京さくら病院」を開設した。特別な事情で在宅介護が困難になった場合に一時的に受け入れるレスパイト入院にも対応している。
小児科医療にも力を入れている。同級生の小児科医から聞いた話がきっかけだった。彼は病児保育室を併設した小児科クリニックを作りたいという希望を持っていた。
病児保育室を作れば、小児科の入院はもっと減らせるというのが彼の持論だった。それなら一緒にやろうと、それから病児保育室併設の小児科クリニックをいくつも作ってきた。親は預けて働きに行ける。
スタッフの労務管理から経理まで、素人同然だったので苦労した。いろいろな人に助けられて諸問題を解決してきた。
3000人を超す職員がいるが、日曜日以外は各施設の朝礼に顔を出し、日中も現場を見て回っている。自らも外来診療と訪問診療を受け持っており、現場で何が起きているか、常に目が行き届くように心がけている。
特養を中心とした介護施設では、自立支援に向けた「おむつゼロ・トイレで排せつできる、下剤ゼロ」を実践している。
その割合を数字として出しているため、しっかりと対応すれば数字が良くなっていくことが職員にも分かり、やりがいにもつながっている。実際にスキルも確実に上がり、サービスの質も上がっている。介護施設も上手に運営できるようになってきた。ベトナムやインドネシアなど、外国人のEPA介護福祉士も1期生から受け入れている。約180人が介護と看護の現場で働いている。
外部の接遇の試験を受けて受かるとグレードが上がっていく「マイスター制度」もスタートした。
老人ホームなどで患者さんの家族に対しての接遇が良くなり、始めたら反響が大きかった。それに応じて処遇も良くなっていくので職員にも喜ばれている。
19年4月には、千葉県浦安市に「タムス浦安病院」を開院した。千葉大学病院、浦安市と連携し、千葉大学病院浦安リハビリテーション教育センターを併設した。
日本で初めての国立大学と組んだ民間医療法人の病院だ。リハビリの臨床と研究を結びつけるのがこの病院のテーマだ。
職員には「自分や自分の家族が入院したい病院になろう」と話している。
自分たちがやっている医療が標準的になるように初心を忘れることなく、患者さんにとって便利で使いやすい医療を目指していきたい。